中学2年の担任だった、あの怖い先生はその年で異動になった。
次の年の夏休み。
突然、先生が中学校を訪ねてきたという連絡が回った。
40人いたクラスのうち、20人くらいが集まった。
久しぶりに先生と談笑していると、突然言った。
「よし、BBQやるぞ。」
皆、キョトンとしていた。
この人数で?
お金は?
同じことを考えていたんだと思う。
「金は全部オレが出す。心配するな。」
「やったー!」と「えー」が混ざった声が上がった。
オレは驚きすぎて声も出なかった。
いったいいくらかかるんだよ?そんな現実的なことを考えていた。
1kmほど離れた会場へ、皆で歩いて向かった。
食べ終わった頃、一人が言った。
「これでタバコでも吸えれば言うことねぇんだけどな。」
先生は冗談っぽく、
「何だとこのー。」
と言いながら、本当に一本差し出した。
「絶対に見つかるなよ。」
今なら大問題になるだろう。
でも、あの頃の空気は今とは少し違っていた。
それでも驚いた。
もし見つかれば、謹慎や減給は避けられないはずだ。
戻ってくると、
「ホープはイマイチだったな。」
「何を生意気な。」
そんなやり取りがあって。みんな爆笑していた。
怖い先生だった。
でもあの先生は
生徒を一人の人間として見ていた。

