中学2年の春、クラス替えがあった。
誰と一緒になるかも気になるが、担任が誰かも重要だ。
発表された名前は、学校で1、2を争う怖い先生だった。
教室の空気は一瞬で重くなった。
「マジか…」
そんな声があちこちから聞こえた。
いざ始まってみると、意外と普通だった。
当たり前だ。
いくら怖い先生でも、何もしていない生徒を叱るわけがない。
確かに怖い。
本気で怒るときは手も出る。
ある日、先生が言った。
「お前ら、なんで男子と女子がそんなに仲が悪いんだ。」
そして突然の席替え。
前後左右が男女になるように配置された。
前代未聞だった。
教室は騒然とした。
最初は違和感しかなかった。
消しゴムや赤ペンを借りようにも、男子は斜めにしかいない。
遠くて貸し借りもできない。
ほとんど話したこともない女子から借りるしかない。
それはオレだけではなかったはずだ。
数ヶ月経つと、クラスの空気が変わっていった。
男女の壁が薄くなり、自然と結束力が生まれていた。
文化祭も体育祭も、自然と協力できるクラスになっていた。
後になって気付いた。
先生は最初から、こうなることをわかっていたのだと。

